同性カップルの方、結婚しませんか^ω^✨?
パートナーシップ(婚姻)契約で結婚しませんか?
皆さんこんにちは。レイ法律事務所弁護士の森伸恵です。
緊急事態宣言が発令し外出自粛が続く中、お二人の今後の生活や何かあった際に病院でお医者さんから説明を受けることができるか等様々な不安を感じられている同性カップルの方はいませんか。
このようなご不安を感じられている場合、パートナーシップ(婚姻)契約の締結がおすすめです!
パートナーシップ(婚姻)契約は、
☆日本では同性婚が認められていませんが、お二人の合意で結婚の約束をする、今後の生活の取り決めをする。
※欧米のプリナップをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません^^
☆パートナーシップ証明制度がない地域にお住いの方でもパートナーシップ(婚姻)契約を結ぶことができる。
の特徴があります!!
■メリット
またパートナーシップ(婚姻)契約を結ぶと、
・将来まで一緒に生活することの約束
・浮気をしない約束
・自分若しくはパートナーが病気になり病院に入院した際、お見舞いに行ったり、お医者さんから症状や治療方針についての説明を受けることができる
・就業先の扶養手当を受けられる
・パートナーを保険の被保険者、保険金の受取人にできる
・住宅ローンを組める
等のメリットがあります!! 詳しいメリットはこちら↓↓↓
そのほか、盛り込む条項例案はこちら↓↓
・同居、協力の約束
・貞操義務(お互いに浮気しない約束)
※この条項を入れないカップルの方もいます。条項は自由にアレンジできます!
・生活費を分担する約束
・家事の分担の約束
・介護の役割分担の約束
・財産の贈与の約束
・医療上の同意
など。詳しい条項例はこちらをご覧ください↓↓
■WEB相談によるパートナーシップ(婚姻)契約の作成✨
現在、レイ法律事務所では、WEB相談によるパートナーシップ(婚姻)契約の作成も受け付けております。
・外出自粛の状況下、外に出るのが心配。
・遠方に住んでおり東京の法律事務所まで行くことができない。
といった場合、WEB相談も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。
■WEB相談の場合の流れ
①お電話若しくはメールでご相談のご予約
※既に入れたい条項案がある程度できている場合は事前に送っていただきます。
②レイ法律事務所から、
・パートナーシップ契約の仕組みパワーポイント
・レイ法律事務所との委任契約書案
をメールで送付
③弁護士とWEBでのご相談
パワーポイントを使ってパートナーシップ(婚姻)契約の解説^^
④委任契約締結
⑤必要書類のやり取りは郵送で。
⑥弁護士が、カップルの方のご自宅近くの公証役場に予約、公証人と条項案の検討
⑦公証役場にてパートナーシップ(婚姻)契約の締結
■まとめ
☆パートナーシップ(婚姻)契約は、将来まで一緒にいることの約束・浮気をしない約束、生活費の分担等の約束ができる、病院にお見舞いに行ける・症状や治療方針について医療機関から説明を受けたり治療方針に同意することができる、扶養手当を受けられる、パートナーを保険の受取人にできる、住宅ローンを組める等のメリットがあります。
☆レイ法律事務所では、パートナーシップ(婚姻契約)をWEB相談・WEB契約により全国どこでも作ることができます。
ぜひレイ法律事務所にご相談ください^^
LGBTQの法律問題・実例に詳しい弁護士 | レイ法律事務所
【同性パートナーに不貞慰謝料を命じる判決 東京高裁】
こんにちは^^
レイ法律事務所の弁護森伸恵です。
今月4日、東京高等裁判所が、同性カップルの一方の不貞行為により関係が破綻したことについて、パートナーの不貞行為は、婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護されるべき利益を侵害する不法行為に当たるとし、パートナーに対する損害賠償請求を認める判決をだしました。
■画期的な判決
★婚姻している夫婦の場合
日本では男女の夫婦の場合、婚姻と同時に貞操義務を負い、不貞は「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為」とされます(最判平成8年3月26日)。
★事実婚(内縁関係)の場合
また、男女間の場合、婚姻に至っていない内縁関係の場合にも、「男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合という点においては、婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係というのは妨げない」(最判昭和33年4月11日)とし、不貞を行った恋人又は恋人と不貞関係を行った第三者に対し、損害賠償を請求できるとしています。
本裁判のポイントは、同性カップルの関係も、内縁関係(事実婚)としての保護を受けるかという点です。
3月4日の高裁判決は「他人同士が生活を共にする単なる同居ではなく、同性同士であるために法律上の婚姻の届出はできないものの、できる限り社会観念上、夫婦と同様であると認められる関係を形成しようとしていたものであり、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合としての婚姻に準ずる関係にあったということができる」と述べ、本裁判における同性カップルの関係が「婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護されるべき利益を有する」、と判断しました。
⇓⇓⇓
要は、同性カップルであっても、単なる交際にとどまらず、婚姻に準ずる関係と言える関係の場合は保護され、不貞をしたパートナーやその不貞相手に慰謝料を請求できる。
■パートナーの不貞は、婚姻に準ずる関係(事実婚)に対する侵害
高裁は、「(本件カップル※筆者注)は、互いに婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護される利益を有していることからすれば、」パートナーが第三者と性的関係を結んだことにより、「関係の解消をやむなくされた場合」、損害賠償請求が認められると判断しました。
本件では、同性カップルの長年の関係性が重視されました。
二人は7年間共同生活を営んでおり、アメリカで同性婚を結び、日本でも親しい人に二人の関係を明らかにし、結婚式を挙げていました。また二人で住むためのマンションの購入を進め、共同して子供を育てる約束をしていた等の事情もありました。
このような事情を総合的に考慮し、婚姻に準ずる関係にあったと認定しました。
■異性と同性とで保護の程度に差異を設けない
本裁判の前審となる地裁判決は「現在の法律上では認められていない同性婚の関係であることからすると」、「法的保護に値する利益の程度は、法律婚や内縁関係において認められるのとはおのずから差異がある」と判示していました。
しかし高裁判決は「事実上の夫婦でありながら、異性と同性とで法律上の保護に値する利益の差異を設けることは性別による差別の取扱いである」と判示しました。
要は、同性婚を認められていない同性カップルだからということで法的保護の程度を下げるのは差別であり、同性カップルにおいても婚姻に準ずる関係にある場合は、男女の関係と同じように保護すべきであるという意味であり、踏み込んだ判断と言うことができます。
■損害賠償の額は?
実際に、不貞をしたパートナーにどの程度の金銭賠償を負わせるかですが、こちらについても、高裁判決は「性別によって差異を設けているのではなく」、「婚姻に準ずる程度とその保護の程度は、それぞれの関係の実態に基づいて判断する」と判示し、同性間だからということで異性婚の不貞慰謝料よりも金額を下げるのではなく、それぞれのカップルの関係性の程度に基づいて慰謝料の金額を決めると判断しました。
■同性カップルの不貞慰謝料請求が増える??
本裁判における同性カップルは、単なるお付き合いをしているにとどまらず、婚姻に準じる関係にあったとして、保護すべきであると判断されました。
そこで、本裁判と同じように、婚姻に準じる関係にある同性カップルのパートナーが不貞を行った場合、不貞をされた側は同じように損害賠償請求ができる可能性があります。
【婚姻に準ずる関係といえるかの判断要素】
☑交際開始時期、交際期間
☑共同生活の期間
☑地方自治体のパートナーシップ証明の取得、パートナーシップ契約の有無、海外での同性婚
☑任意後見契約や遺言の有無
☑二人の関係を周囲の人に明らかにしているか
☑結婚式や披露宴の有無
☑一緒に暮らす住宅の購入
☑共同して子供を育てる約束、若しくは既に一緒に子育てをしているか
☑生活費の分担等
これらの要素のうち、どれかが欠けているとすぐに「婚姻に準ずる関係」にないと判断されるわけではありません。これらの要素を総合考慮して、婚姻に準ずる関係にあったか判断されます。
もし今、同性カップルの方で不貞慰謝料請求を考えている方は上の要素を
チェックしてみてください。
レイ法律事務所でも、同性カップル間でパートナーに対する不貞慰謝料や、パートナーと浮気をした第三者に対する慰謝料請求の経験がありますが、今後、日本全体で同性カップルの方の不貞慰謝料が増えるかもしれませんね。
また、本裁判は「世界的にみれば」、「同性同士のカップルにつき、同性婚を認める国・地域が25を超えており、これに加えて登録パートナーシップ等の関係を公的に認証する制度を採用する国・地域は世界中の約20%に上っており、日本国内においても、このようなパートナーシップ制度を採用する地方自治体が現れてきているといった近時の社会情勢等を併せ考慮すれば」、「同性同士のものであることのみをもって」「法律上保護されるべき利益を有することを否定できない」と明言しました。
つまり、同性カップルにおいても婚姻に準ずる関係にある場合は保護されるべきと司法が判断したわけですから、日本における同性婚の法整備にもプラスの影響を及ぼす可能性があるでしょう。
パートナーの不貞(浮気)で悩んでいる方、同性カップルの方で不貞慰謝料請求をお考えの方はこちら
【同性カップルでパートナーに浮気をされた場合、慰謝料請求できる??】
こんにちは。
レイ法律事務所弁護士の森です。
みなさん、同性カップルが長年一緒に共同生活を送っていた時に、パートナーが不貞をして、同性カップルの関係が破綻した場合、パートナーやパートナーと不貞をした人に対し、損害賠償を請求できると思いますか?
昨年、同性カップルの一方が不貞を行った場合に、一方及び不貞をした第三者に対し損害賠償を請求できるかという点について、宇都宮地方裁判所で判決が出ました
今回は、パートナーの不貞で悩んでいる人もいると思いますので、「同性カップルの不貞慰謝料請求が認められた裁判~パートナーが不貞をしたことにより関係破綻~」について、裁判所がどのように判断したのか詳しく見ていきたいと思います。
■画期的な判決
この裁判では、同性カップルであっても内縁関係と同視できる生活関係にある場合は、内縁関係に準じて法的保護に値する利益が認められるとして、パートナーの不貞により関係が破綻したときは不法行為に基づく損害賠償が認められると判断しました。
大変、画期的な判決です。
■損害賠償請求が認められるには
まず、パートナー及びパートナーと不貞をした第三者に対して損害賠償を請求する場合、その請求が認められるかは、『不法行為に基づく損害賠償請求』(民法709条)の各要件を満たすかという問題になります。
不法行為に基づく損害賠償請求の要件
① 加害行為=「権利又は法律上保護された利益」に対する侵害があったこと
② 損害の発生
③ 加害行為と損害の発生に因果関係があること
④ 故意・過失
特に問題なのが、①の要件です。
■要件①加害行為=権利侵害があったといえる?
・同性で肉体関係を持つことが、本人(請求者)との関係で加害行為(すなわち不貞)といえるか。
・この同性同士の肉体関係により、本人(請求者)の何らかの権利が侵害されたといえるか(同性カップルの関係が「権利又は法律上保護された利益」といえるか)
が問題です。
裁判所は、「内縁関係は婚姻関係に準じるものとして保護されるべき生活関係に当たると解される」ことを前提に、
「同性のカップルであっても、その実態に応じて、一定の法的保護を与える必要性は高いということができる。~同性のカップルであっても、その実態を見て内縁関係と同視できる生活関係にあると認められるものについては、それぞれに内縁関係に準じた法的保護に値する利益が認められ、不法行為法上の保護を受け得ると解するのが相当である。」と判断しました。
裁判所の立場ですが、
① 男女間の婚姻関係では、不貞は「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益(これが権利)←を侵害する行為(←不貞が加害行為)」とされます(最判平成8年3月26日)。
② そして男女間の恋愛関係の場合、婚姻に至っていない内縁関係の場合にも、その関係が保護され、不貞を行った恋人又は恋人と不貞関係を行った第三者に対し、慰謝料を請求できる場合があります。
内縁関係が保護される理由ですが、判例は「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合という点においては、婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係というのは妨げない」(最判昭和33年4月11日)としています。
つまり婚姻していなくても夫婦といえるような実質的な共同生活を営んでいる場合には、その内縁関係も法律上保護されるべき権利(利益)と判断しています。
③今回の事案は、同性カップルの関係においても、男女の内縁関係と同じように、
Q内縁関係と同視できる生活関係がある場合には、保護されるべき利益になり得るか??という点について、なり得ると判断しました。
※ただし、現行法上、婚姻が男女に限られていることからすると(筆者注:法律で同性婚が認められていない現状からすると)、同性婚を内縁関係(事実婚)そのものと見ることはできないとしています。
同性カップル間でも内縁関係と同視できる生活関係にある場合
⇒内縁関係に準じた法的保護に値する利益あり。
このような生活関係にある場合に、不貞を行った場合、不貞は加害行為として
本人の内縁関係に準じた法的保護に値する利益を侵害したといえる。
■では、内縁関係と同視できる生活関係にあったか
これについては以下の事実関係を裁判所は重視しました。
★共同生活の期間(裁判例の事案は7年)
★同性婚が認められているアメリカのニューヨーク州で婚姻登録証明書を取得
★日本で結婚式、披露宴を行った
★二人の関係を周囲の親しい人に明らかにしていた(カミングアウト)
★二人(将来的には二人の子)が住むためのマンションの購入を進めた。
★二人の間で育てる子を妊娠すべく第三者から精子提供を受けた。
⇒男女間の婚姻と何ら変わらない実態を有しているということができ、内縁関係と同視できる生活関係にあったと認められることができる。
■裁判例の射程
裁判例と同じように、
・内縁関係と同視できる生活関係にある
・パートナーが不貞を行った
事実関係にあり、それにより関係が破綻したと言える場合には、②損害、③因果関係、④パートナー及びパートナーと不貞をした第三者の故意過失が認められる限り、慰謝料請求ができる可能性があります。
なお本裁判は原告及び被告共に控訴しており、高裁判決が3月4日に出るようです。
東京高裁においても、同性カップルの関係が内縁関係と同視できる生活関係にある場合は保護されるべき利益に当たるとの判断を維持されることが望まれます。
【東京港区、制服自由の条例制定へ】
【東京港区、制服自由の条例制定へ】
こんにちは。レイ法律事務所弁護士の森伸恵です。
東京都港区が、1月31日、トランスジェンダーなど性的少数者の人が身体の性別にかかわらず、職場や学校で制服などを自由に選択できるよう、男女平等参画条例の改正案を2月に区議会に提出することを明らかにしました。
⇓詳細はこちら
「東京都港区は、トランスジェンダーなど性的少数者(LGBT)が身体の性別にかかわらず職場や学校で制服などを自由に選択できるよう、男女平等参画条例を改正する方針を固めた。区によると、性別にかかわらず、服装などの自由を保障することを条例に盛り込むのは全国初という。四月の実施を目指す。」東京新聞1月5日朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020010502000116.html
今日はこの条例案の内容や影響について見ていきましょう。
この改正条例案は、対象が「港区区民と港区で働くすべての人」で、トランスジェンダーなどの性的少数者の学生は、区立中学十校などで自分の望むズボンやスカート(制服)を選べる、社会人の人は、職場で性別の違いによる制服などを強制されないとするものです。
■対象
まずこの条例の対象は、LGBTの人全ての人ではなく、原則トランスジェンダー(身体は男性で心は女性、身体は女性で心は男性)の人であることを確認しましょう。
ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの方等が必ずしも対象に含まれるわけではありません。
※しかしトランスジェンダー以外の人でも自分の身体の性別に沿って指定された制服を着ることに違和感を感じる方もいますので、対象に含まれることもあります。
■条例案の良い点
以下、この条例案の良い点をピックアップしてみました。
・服装を自分で選ぶことができる選択肢を得られる。(LGBTとは関係なしに)
特に中学生、高校生の時期は、例えば、身体も心も女性だけど、スカートは履きたくないという女子生徒等もいるものです。
・トランスジェンダーにとっては嬉しい。
当事者の方から「中学に入り指定の制服を着ることになった時、自分は男なのにセーラー服とスカートを3年間着なくちゃならず苦痛で苦痛で仕方なかった」といったことを聞いたこともありますので、トランスジェンダーの人が性自認に沿った制服を着用できるのは喜ばしいことです。
・区内で、性自認に沿った服装や出勤や通学することを、学校側や企業側から指摘や注意されなくなる。
・港区が制定しようとしている「(仮称)みなとマリアージュ」(※性的マイノリティの人を対象として、性的指向や性自認にかかわらず、誰もが人生を共にしたい人と家族として暮らすことができるというもの。同性間でも異性間でも利用できる。外国籍の人も利用できる。)とともに、港区が性的少数者に対して寛大な地域として進んでいく。
■条例案の具体化、射程
では、この条例が制定された際に実際に起こり得ることを考えてみましょう。
・服装に伴う、トイレや更衣室の使用に関しての言及がない?
⇒例えば、身体は男性、性自認は女性のトランスジェンダーの人が女性の制服を着るようになった場合、女子トイレや女子更衣室は使えるようになるのでしょうか?
なお、港区内公立学校の「誰でもトイレ」普及率は10%以下 となっています。
文科省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/10/30/1410580_002_1.pdf
・同じく、水着や課外授業の際の服装についてはどうなる?
・もしトイレ法のような校則ができた場合、当事者には逃げ場がなくなることがあり得るおそれ?
Qトイレ法とは??
2015年、アメリカのノースカロライナ州でトイレ法という法律が制定されましたが、2018年に否決されました。
このトイレ法は、「女性や子どものプライバシーを守るため」として、出生時の性別に沿ったトイレ使用を求めるものでした。
港区の学校でも、他の生徒への影響や盗撮の心配を防止するといったことを考慮し、トイレ法のような校則ができれば、制服は好きに選べてもトイレは身体の性別に沿ったものを使うことを強要されるということもあり得ますので、個別に判断する必要があります。
・この条例は性自認に沿った制服を着用する=トランスジェンダーであることをカミングアウトすることになる?
⇒中学校や高校に入学する際、近くの指定学童用品店等で、その学校指定の制服やジャージを購入するのが一般的な流れですが、例えば、FTMの人が「女子の制服のスカートを着ることはできない。ズボンを履く。」と決めた際、この性自認に沿ったズボンを履くことで事実上、自分の姿(服装)を持ってFTMであることをカミングアウトすることになります。
しかし、トランスジェンダーの人の中には、自分がFTMやMTFであることは知られたくない、だから性自認に沿った服装ではなく、身体の性別に沿った服装をし続ける人もいます。
ファッション業界ではジェンダーレスの服装が話題にのぼるようになっています。
港区の制服自由化も、表現の自由として生徒や社会人が自由に着た服を着られるようにするという風に制服自由化の趣旨が変わっていけば、カミングアウトに抵抗があるトランスジェンダーの人も性自認に沿った服装を着用しやすくなるかもしれませんね。
もっとも、港区の男女平等参画条例の一部を改正する条例案を見てみますと、「何人も、正当な理由がない限り、他人の性別表現を妨げてはならない。」とあり、港区のほうでも、表現の自由の一環としても検討してくれている可能性もあります。
上記のように、制服自由化の趣旨や制服を自由に選べるようになった後、起こり得ることについては事前に具体的に検討しておき、港区から教育委員会や各学校に対して、分かりやすく判断方針を説明しておく必要がありますね。
現場が判断に困らないよう、条例制定と同時に指針を各学校に配布しておくことも良いかもしれませんね。
制服自由化に心から賛同しておりますので、楽しく生活できる人が増えるよう(トランスジェンダーの人に限らず自分が心地よく感じる制服・服装で生活できることは大切なことです。)願っております。
婚姻契約、任意後見契約、遺言の違い
【婚姻契約、任意後見契約、遺言の違い】
こんにちは^^、レイ法律事務所弁護士の森伸恵です。
本日は、同性カップル(ゲイカップル、レズビアンカップル)の方のライフプランに関して、婚姻(パートナーシップ)契約、任意後見契約、遺言の違いをお伝えしようと思います。
これは実際に、私が相談者の方から「医療上の同意は任意後見契約になるのですか?」、「遺言は婚姻(パートナーシップ)契約でできるのですか?」と聞かれたことがあるからです。
下のほうに表を添付してみましたが、まず文字で整理すると、、、
①婚姻(パートナーシップ)シップ契約
→民法上の婚姻(結婚)と同様の効果を同性カップル二人の合意により生じさせるもの。
当事者の要望により、
・同居、協力の約束
・貞操義務(お互いに浮気しない約束)
・生活費を分担する約束
・家事の分担の約束
・介護の役割分担の約束
・財産の贈与の約束
・医療上の同意
をすることができる。
※婚姻(パートナーシップ)契約で遺言をすることはできません。
自分の死後の財産をパートナーが受け継ぐことができるようにするには、③の遺言書が必要です。
②任意後見契約
→認知症等(判断能力が不十分になった時)に向けて、誰に、生活サポート、療養看護、財産管理を任せるかあらかじめ決めておくことができるもの。
パートナーに生活サポート、療養看護、財産管理を任せることができる。
※実際に任意後見の効力が発生するのは本人が判断能力等が不十分になり、申立てにより任意後見監督人が選任された時。
(※任意後見契約の詳細は後日ブログにアップします。)
※事故に遭って入院した際の面会や、医師から病状や治療方針の説明を受けること、医療上の同意については、婚姻(パートナーシップ)契約に医療上の同意条項を盛り込む若しくは医療同意契約を結ぶ形になります。
③遺言書
→現在の日本では、同性カップルの法律婚が認められていないため、自分の死後、財産をパートナーに権利として相続させることはできない。
そこで、遺言により、預貯金や一緒に暮らしてい居た自宅等の財産をパートナーが引き継げるようにする。
上記①~③を図にすると、、、
⇓⇓⇓こちら
以上、婚姻(パートナーシップ)契約、任意後見契約、遺言の違いはご理解いただけたでしょうか^^
レイ法律事務所では、婚姻(パートナーシップ)契約、任意後見契約、遺言書を作成しています。お気軽にお問合せください。
【同性カップルのライフプラン】医療上の同意
【同性カップルのライフプラン】医療上の同意
みなさん、こんにちは^^
レイ法律事務所弁護士の森伸恵です。
本日は、同性カップルの方の「医療上の同意」についてお伝えしたいと思います。
■ 寄せられたご質問・ご相談
☑パートナーが事故に遭い、救急入院した際にお見舞いに行ってパートナーに面会できるか不安
☑自分が病気になった場合、医師がパートナーに対して、病状や治療方針について説明してくれるか不安
☑自分若しくはパートナーが意識不明で緊急手術することになった場合、どうしたら良い?
☑将来、自分がパートナーの臨終を看取りたい。
今回は、場面ごとに対応策を見ていきましょう。
1.面会・病状説明の場面
個人情報保護の考えが進み、関係機関で個人情報の取扱いや開示については慎重になっています。そこで、病院でも患者のプライバシーを考え、家族以外の人には患者の症状を説明できないと判断することがあります。
また、家族以外の人間を病室に入れるのは何かあった時に心配と考える病院の方もいるかもしれません。
そこで、パートナー=家族若しくは家族と同視できる存在と、病院に説明できる状態にしておくことが大切です。
パートナー=家族若しくは家族と同視できる存在と証明できれば、病院側もスムーズに面会や病状説明に応じてくれるでしょう^^
Q パートナー=家族と証明するには?
①パートナーシップ証明を発行している自治体にお住いの同性カップルの方の場合、
パートナーシップ証明書を見せれば家族の証明になります^^
②あとはパートナーの方のお名前を書いた緊急連絡先カード(エマージェンシーカード)を普段から持っておくことも良いでしょう。
どこまで説明してくれるかは病院によりますが、例えば交通事故に遭い意識不明の重体になってしまった際に、緊急連絡先カードがあれば、病院関係者がまず緊急連絡先に記載されたパートナーに電話をしてくれることがあります。
③さらに、家族として、医師から病状や治療の方針について説明を受けたいという場合は、
あらかじめ
■婚姻契約(パートナーシップ契約)書を作成し、医療上の同意条項を盛り込んでおく
若しくは
■医療同意契約
を結んでおくことをお勧めします。
レイ法律事務所では、実際に医療上の同意条項を盛り込んだ婚姻契約(パートナーシップ契約)、医療同意契約を作成しています。
⇓⇓⇓その際に盛り込む条項の例がこちら
一方が病院において治療又は手術を受ける場合、他方が治療等の場面に立ち会い、本人と共に、又は本人に代わって、医師らから、症状や治療の方針・見通し等に関する説明を受けることを予め委任する。
2.緊急手術に同意が必要な場面
例えば、パートナーが交通事故に遭ってしまい意識がない状態で救急搬送され、緊急手術が必要な場合が起きたとします。
この場合、家族でないからということで手術の同意書にサインができないことがあり得ます。
そこで、婚姻契約(パートナーシップ契約)にパートナーが手術に同意できる旨の条項や、
別途、医療同意契約を作成しておきましょう。
こちらもレイ法律事務所で作成している条項を例で載せますと、こんな感じです。
⇓⇓⇓
甲及び乙は、罹患若しくは受傷したいずれか一方が、その通院・入院・手術時及び危篤時において、他方に対し、入院時の付添い、面会謝絶時の面会、手術同意書への署名等を含む通常親族に与えられる権利の行使につき、本人の最近親の親族に優先する権利を互いに付与することを合意した。
3.臨終を看取る場面
ずっと共に人生を歩んできたパートナーの最期は自分が看取りたいものです。
パートナーが臨終にあると聞いて病院に駆け付けたら、病院側から「家族ではないので病室に立ち入ることはできません。」と言われたらどうしましょう。
地方自治体のパートナーシップ証明を取得している方は、必ずこの証明書を持参してください。家族であることの証明になります。
地方自治体によってはパートナーシップ証明制度がないところもあると思います。
その場合は、別途、パートナーと結んだ婚姻契約(パートナーシップ契約)書を持参しましょう。
※公的な証明があると病院側も安心してくれますので、婚姻契約(パートナーシップ)書は公正証書にすることをお勧めします。
レイ法律事務所では、婚姻契約(パートナーシップ契約)書、医療上の同意書を作成しています。
お気軽にお問い合わせください^^
https://rei-law.com/practice/lgbt/lgbt_partnership
https://banichi.hatenablog.com/entry/2019/11/22/190029
同性カップルの住宅ローンの組み方
【同性カップルの方の住宅ローンの組み方】
レイ法律事務所弁護士 森伸恵
二人で居住する自宅の購入を考えている同性カップルの方も多いことでしょう。
そこで問題になるのが、
Q 同性カップルは男女の夫婦と同様に、収入合算型や連帯債務型の住宅ローンを組めるの??
Q パートナーが亡くなった際の相続はどうなるの??
高い贈与税がかかってしまうの??
という点です。
今回は同性カップルの方向けの住宅ローンの組み方について見ていきましょう( ^ω^ )
■ 重要な視点
さて、ここでまず重要なポイントを。
不動産の所有権というプラスの財産と、住宅ローンというマイナスの債務は
分けて考えること!!
これが、頭の中でごっちゃになっていると混乱して、ベストな方法を選択できません。
常に、不動産の所有権というプラスの財産と、住宅ローンというマイナスの債務は
分けて考える、これを頭に入れて、プランを検討しましょう。
■ 同性カップルの方向けの住宅ローン(ペアローン、収入合算)
さて、ご存知の方も多いと思いますが、同性カップルの方向けの住宅ローン(ペアローン、収入合算)を取り扱う金融機関が増えてきています。
参考までに同性カップルの方向けの住宅ローンを取り扱っている金融機関を挙げておくと、(※2019年11月29日現在)
☆楽天銀行
https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/lp/lgbt-homeloan.html
☆みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20171019release_jp.pdf#search=%27%E3%81%BF%E3%81%9A%E3%81%BB%E9%8A%80%E8%A1%8C+%E5%90%8C%E6%80%A7%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB%27
☆三井住友信託銀行
https://www.smtb.jp/corporate/release/pdf/180104.pdf#search=%27%E4%B8%89%E4%BA%95%E4%BD%8F%E5%8F%8B+%EF%BC%AC%EF%BC%A7%EF%BC%A2%EF%BC%B4+%E4%BD%8F%E5%AE%85%27
☆ソニー銀行
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP476097_S8A400C1000000/
☆住信SBIネット銀行
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP467497_U8A100C1000000/
☆沖縄銀行
https://www.oricon.co.jp/article/690894/
☆琉球銀行
☆大垣共立銀行
☆滋賀銀行
があります。
上記の金融機関の多くは、同性カップルの方が住宅ローンを組む場合、以下の書類が必要としています。
① パートナーシップ証明若しくは婚姻(パートナーシップ)契約の公正証書の正本又は謄本
※パートナーシップ証明若しくは婚姻(パートナーシップ)契約には以下の記載が必要です。
・二人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること
・二人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、およびその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと
② 任意後見契約に係る公正証書の正本又は謄本
二人が相互に相手方を受任者とする任意後見契約であることが必要。
つまり、甲乙を入れ替えた2通の任意後見契約(公正証書)が必要です。
※任意後見契約とは、認知症等(判断能力が不十分になった時)に向けて、誰に、生活サポート、療養看護、財産管理を任せるかあらかじめ決めておくものです。
任意後見契約についてご検討の方はこちら( ^ω^ )
③ 任意後見契約に係る登記事項証明書
※なお、任意後見契約に係る登記自体は、公証人が嘱託により行ってくれます。
地方銀行では、同銀行が所在する地方自治体のパートナーシップ宣誓、パートナーシップ証明の取得を求めているところもあります。
婚姻(パートナーシップ)契約の詳細はこちら( ^ω^ )
■ 住宅ローンの種類
では、各金融機関が商品として案内している住宅ローンの種類について、お伝えします。
A 収入合算型(連帯保証型)
住宅ローンの借り入れ申込時に、申込者本人の収入に、一定の収入がある同居親族の収入も合算する。
収入合算できるのは一人まで。
⇒ローン契約は一つ結ぶことに。
B ペアローン型
一定の収入のある同居親族と一緒に、それぞれが主たる債務者として住宅ローンを組む。お互いが相手方(パートナー)の債務に対する連帯保証人となる。
不動産の持分がある場合、それぞれが住宅ローン控除の対象となる。
⇒ローン契約は二つ結ぶことに。
C 連帯債務型
本人を契約者、パートナーを連帯債務者としてローン契約を結ぶ。
⇒ローン契約は一つ結ぶことに。
ローン契約は一つであるが、契約者本人、パートナー(連帯債務者)双方が借入金額分の返済義務を負う。
■メリット・デメリット
住宅ローンにはいくつかの種類があるということですね(^^)。
それでは、各住宅ローンの組み方についてどのようなメリット・デメリットがあるか確認しておきましょう✨
■ 実際にどの住宅ローンを選べばよいのか?
では、どのような住宅ローンを選ぶのがベストでしょうか??
それは先にお伝えした「不動産の所有権というプラスの財産と、住宅ローンというマイナスの債務は分けて考える」がポイントになってきます。
①不動産の所有権というプラスの財産
⇒不動産の持分の100%を本人が所有する形にすると、本人が亡くなった際にパートナーに本人の所有権すべてを取得させたい場合は、所有権移転の原因は贈与(遺言で遺贈にすることも)。贈与税、贈与を登記原因とする登録免許税は一般的に高い。
⇒不動産を共有する形にすると、本人が亡くなった際は、本人の持分のみをパートナーに贈与(遺贈)することになるので、贈与税・登録免許税は安くなる。
②住宅ローンというマイナスの債務
⇒どちらかが亡くなった際に団体信用生命保険で償還されるのは全額か、それぞれの借入金のみか。上のメリット、デメリットの表を参考にご検討ください。
■おわりに
住宅ローンは専門用語や実務の運用も複雑で分かりにくいことも多いかと思います。
レイ法律事務所では、住宅の購入をお考えの同性カップルの方向けに、
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